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書評『子どもが心配 人として大事な三つの力』

お子さんの教育や育児について、「正しい方法」を考えたことはありますか?今や、本を読まなくともネットで検索すれば、「正しい育児」「正しい教育」と思われる情報をたくさん得ることができます。その「正しい」と言われている情報は本当にお子さんの個性を伸ばせる方法でしょうか。

先日読んだ書籍『子どもが心配 人として大事な三つの力』で、参考になるフレーズがあったので、備忘録として記録しておきたいと思います。

大事な三つの力とは

本のサブタイトルになっている三つの力について早速お伝えします。ただ、この三つの力がなぜ大事なのか、この力を身につけることでどういう子に育つのかは、深く読み進める必要がありますので、そのあたりも踏まえて読んでいただければと思います。

一つ目、認知機能

児童精神科医の宮口幸治氏によると、

認知機能や知的能力に問題があるにもかかわらず、学校で気づかれないままずっと放置されてきた子どもがおり、非行化しないのが不思議なくらいの状況に置かれている子どもがいる

と指摘しています。子どもが非行化するかどうかの分岐点は「勉強について行けるか、いけないか」だとも述べています。

具体的に、非行少年の特徴は以下の「五点セット+1」にまとめられます。

  • 認知機能の低さ
  • 感情統制の弱さ
  • 融通の利かなさ
  • 不適切な自己評価
  • 対人スキルの乏しさ
  • +1身体的不器用さ

宮口氏は非行少年に焦点を当てて解説していますが、本書の三つの力に戻って話をすすめたいと思います。

二つ目、共感する力

慶應義塾大学小児科医師の高橋孝雄氏によると、

子どもに限らず、大人にとっても「成熟した大人とは、共感する力のある人」である

と述べています。人は、「自分がこういうことをすれば、相手はこんなふうに感じる」ということを五感を通じて学習します。想像力が身につけば、子どものころに「共感する力」が芽生えるはずです。

三つ目、自分の頭で考える人になる

自由学園学園長の高橋和也氏によると、

自由学園(東京都東久留米市)では、100年前の創立時より、自分の頭で考える人を育てる教育を行っています。生徒たちの考え実行する力が発揮されたのは、コロナ禍の時でした。集団と接するのを控えなければならなかった時、生徒たち自らが、コロナウイルス対策の実証実験を行い、500人規模の学校行事を成功させました。

学校のルールすら生徒自身で作る自由学園では、自然と自分たちで考え実践する力が身についているようです。集団の中ですら、個を意識して生活している状況が伺えます。

ネットに頼ると「負け続ける育児」になる

本書では、インターネットで「正しい育児法」を追いかける親が心配だという記述もありました。ネットで検索すると、実際、正しいと思われる情報がたくさん出てきます。自分の考えに近く、役に立ちそうな情報を拾い読みしていくと思いますが、その時に陥りやすい問題点を指摘しています。それは、自分が実践している育児と比べて、少しだけレベルの高い方法に「正しさ」を求めがちだ、ということです。

ネット検索が「正しい育児」という“鬼”を捕まえる“追いかけっこ”のようになり、これが「負け続ける育児」に繋がっているといいます。ネットの普及がよその子と比べることを助長しているのではないでしょうか。他者と比較するということは、「自分の子を優秀とされる子どもたちのカテゴリーに入れようとする」ことにほかなりません。個性を認めるのとは逆方向の考え方になってしまいます。

子供心理・チャイルド心理資格取得講座卒業・修了証明 子供心理カウンセラー®資格資格認定証

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