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正解のない海を、どう生きるか

映画「タイタニック」と地頭塾の教育

映画『タイタニック』を見ました。

ジャックとローズの物語は何度見ても心を動かされます。

しかし今回、教育に携わる立場として見ていて、以前とは少し違うことを考えました。

タイタニック号が沈んでいくあの数時間には、私たちが普段は見ないようにしている「人間とは何か」が凝縮されているように感じたのです。

もし、自分の命が危険にさらされたら。

自分だけが助かるチャンスがあったら。

大切な人と離れなければ助からないとしたら。

周囲の人が「まだ大丈夫だ」と言っている中で、自分だけが危険を感じたら。

あなたなら、どうしますか。

そこには、模範解答がありません。

学校では「正解のある問題」をたくさん解く

子どもたちは学校や塾で、毎日のように問題を解いています。

3+5はいくつか。

この英文を日本語に訳しなさい。

江戸幕府を開いた人物は誰か。

方程式を解きなさい。

もちろん、こうした知識や基礎学力はとても大切です。

地頭塾でも、子どもたちに勉強を教えています。

しかし、子どもたちがこれから歩いていく人生を考えると、少し不思議なことに気づきます。

人生で本当に困る場面ほど、「答え」が用意されていないのです。

どの高校へ進むのか。

どんな仕事を選ぶのか。

友達と衝突したとき、どうするのか。

学校へ行くことが苦しくなったとき、どうするのか。

失敗してしまったとき、もう一度立ち上がるのか。

自分の利益と誰かの幸せがぶつかったとき、何を選ぶのか。

どれも、問題集の最後のページに答えは載っていません。

タイタニック号の上にも、答えはなかった

映画の中で印象的なのは、船が沈み始めてからの人々の姿です。

恐怖に取り乱す人。

自分だけでも助かろうとする人。

家族を守ろうとする人。

最後まで自分の仕事を果たそうとする人。

誰かに席を譲る人。

愛する人と最後まで一緒にいることを選ぶ人。

極限状態になるほど、その人が何を大切にして生きてきたのかが見えてきます。

そして、そこには「正しい生き方」と書かれた説明書はありません。

自分で決めるしかない。

だから私は、タイタニックを見ながら思いました。

私たちは、子どもたちに「答え」を教えることばかりに一生懸命になっていないだろうか。

「知っている」と「考えられる」は違う

知識は必要です。

知識がなければ、そもそも考える材料がありません。

だから、読み書きも、計算も、英語も、理科も、社会も大切です。

しかし、

「知っていること」と「考えられること」は、同じではありません。

覚えた知識を、目の前の問題にどう使うのか。

情報が正しいのかをどう判断するのか。

自分と違う意見を持つ人の立場を想像できるか。

失敗したとき、何が原因だったのかを考え、次の行動を変えられるか。

そして最後には、

「自分はどうしたいのか」

を自分自身に問いかけられるか。

私は、ここまで含めて「学ぶ」ということなのだと思っています。

成績は、人間の価値を表しているのか

『タイタニック』には、当時の社会にあった階級の違いも色濃く描かれています。

豪華な一等船室で過ごす人々と、三等船室で過ごす人々。

着ている服も、食事も、話し方も、社会的な立場も違います。

しかし、船が沈み始めれば、その境界の意味は急速に失われていきます。

結局そこにいるのは、一人ひとりの人間です。

教育の世界にも、いろいろな「物差し」があります。

テストの点数。

偏差値。

通知表。

進学した高校。

学校へ毎日通えているかどうか。

もちろん、数字による評価が必要な場面はあります。

しかし、その数字がその子の価値そのものになることはありません。

勉強が得意な子。

勉強が苦手な子。

学校が大好きな子。

学校という場所が苦しくなってしまった子。

すぐに行動できる子。

一歩踏み出すまでに長い時間が必要な子。

地頭塾には、いろいろな子どもたちがやってきます。

だからこそ私は、

「今、何ができるか」だけで、その子の未来まで決めつけてはいけない。

そう思っています。

あなたはどう生きたい?

ジャックがローズに与えたものは何だったのでしょう。

私は、お金でも知識でもなく、

「自分の人生を、自分で選んでもいい」

という感覚だったのではないかと思います。

これは教育について考える上でも、とても重要なことだと思います。

大人は子どものことを心配するからこそ、

「勉強しなさい」

「この高校に行った方がいい」

「そんなことをしていたら将来困るよ」

と言ってしまいます。

私自身も、子どもたちに勉強を教える立場ですから、言いたくなることはあります。

けれど、子どもの人生を最後まで代わりに生きることはできません。

いつか子どもたちは、自分で船を選び、自分で海へ出ていきます。

そのとき必要なのは、

「先生に言われたから」

「親に言われたから」

ではなく、

「自分はこう考えた。だから、こうする」

と言える力ではないでしょうか。

だから教育には、ときに「教えること」以上に、

「あなたはどう思う?」

「あなたはどうしたい?」

と問い続けることが必要なのだと思います。

私たちは、未来の海図を持っていない

これから子どもたちが生きる社会がどうなるのか、私たち大人にも正確には分かりません。

技術は変わります。

仕事も変わります。

社会の常識も変わります。

そして人生には、予想していなかった出来事が起こります。

順風満帆だった船が、突然氷山に出会うことだってある。

そんなとき、

大人があらかじめすべての答えを教えておくことはできません。

だからこそ、子どもたちには学んでほしい。

知識を身につけてほしい。

考えてほしい。

失敗してほしい。

もう一度考えてほしい。

人の気持ちを想像してほしい。

そして最後は、自分で決めてほしい。

地頭塾が子どもたちに渡したいのは、

人生という航海の「正解」が書かれた海図ではありません。

そんなものは、きっと誰にも作れません。

私たちが渡したいのは、

正解のない海に出たとき、自分で考え、自分で進む方向を決めるための力です。

そして、嵐に遭っても。

道に迷っても。

一度立ち止まっても。

また自分の力で進み始められるための「礎」です。

すべての子どもに、未来を切り拓く「礎」を。

映画『タイタニック』を見ながら、改めて地頭塾が子どもたちに何を伝えていきたいのかを考えました。

正解のない海を、どう生きるか。

その問いを考えることこそ、もしかすると「学ぶ」ということなのかもしれません。

子供心理・チャイルド心理資格取得講座卒業・修了証明 子供心理カウンセラー®資格資格認定証

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