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高校は「入れるところ」ではなく、「合うところ」を選ぶ

「高校はどこに行きたいの?」

最近、中学3年生と話していると、こんな会話がありました。

「明成高校です。」

「なんでそこに行きたいの?」

「何となく。自分の学力で入れるところが、そこしかないから。」

「そっかぁ……。でも、それはちょっともったいないなぁ。」

また、別の生徒ともこんな話をしました。

「志望校は福島高校かな?」

「一応、福島高校を目指そうと思います。でも、何がしたいのか分からなくて。親や先生に言われたから、とりあえず福島高校って感じです。」

「そっかぁ……。」

明成高校を考えている生徒と、福島高校を考えている生徒。

学力だけを見れば、まったく違う話のように見えるかもしれません。

でも私には、この二人の言葉がどこか同じように聞こえました。

どちらにも、

「自分は、なぜその高校に行きたいのか」

という部分が、まだありませんでした。

10人の中学3年生と話してみると

今年、地頭塾には10名の中学3年生がいます。

9月に入り、模試の結果や学校の実力テストを見ながら、進路について話す機会も増えてきました。

一人ひとりと話してみると、半分くらいの生徒が高校選びに迷っています。

もちろん、まだ志望校そのものが決まっていない生徒もいます。

しかし、それだけではありません。

「○○高校に行きます」

と学校名は決まっていても、

「どうしてその高校なの?」

と聞くと、

「家から近いから」

「友達が行くから」

「先生に勧められたから」

「自分の点数なら、その辺だから」

という答えが返ってくることもあります。

だから最近思うのです。

志望校が決まっていることと、自分の進路を決めていることは、必ずしも同じではないのではないか。

偏差値は「入れるか」を教えてくれる。でも「合うか」は教えてくれない

高校受験では、どうしても数字の話が多くなります。

新教研で何点だった。

偏差値がいくつだった。

この成績なら福島高校。

この点数なら福島東高校。

このくらいなら福島南高校。

もちろん、こうした数字は大切です。

受験である以上、合格するための学力は必要ですし、現在地を知ることも欠かせません。

私たちも模試の結果を細かく分析します。

でも、数字にはできないことがあります。

偏差値は「その高校に入れる可能性」を教えてくれても、「その高校が自分に合っているか」までは教えてくれません。

同じくらいの学力でも、

大学進学に向けて勉強したい子。

部活動に思い切り打ち込みたい子。

資格を取りたい子。

専門的なことを学びたい子。

高校生活では少しゆっくり自分のペースを取り戻したい子。

それぞれに合う高校は違うはずです。

だから、

「成績がいいから、一番偏差値の高い高校へ」

「成績が低いから、入れそうな高校へ」

だけで決めてしまうのは、少しもったいないと思っています。

もし、全部の高校に入れるとしたら?

最近、生徒と進路について話すとき、こんなことを聞いてみたいと思っています。

「もし、どの高校にも同じくらいの学力で入れるとしたら、どこに行きたい?」

偏差値も、合格判定も、いったん横に置いて考えてみる。

すると高校選びの見え方が少し変わります。

「どんな高校生活を送りたい?」

「高校でやってみたいことはある?」

「部活動は続けたい?」

「大学に行きたい? 就職したい? まだ分からない?」

「どんな学校の雰囲気が好き?」

「逆に、どんな高校生活は嫌?」

こういう話をしていくと、本人の中にある価値観が少しずつ見えてきます。

高校から自分を見るのではなく、

自分から高校を見てみる。

高校選びとは、本来そういうものなのかもしれません。

15歳で将来の答えなんて、分からなくてもいい

とはいえ、

「将来何になりたい?」

と聞かれて、すぐに答えられる中学生ばかりではありません。

「特にない」

「まだ分からない」

という生徒もたくさんいます。

それでいいと思っています。

15歳で人生の答えを出す必要なんてありません。

大人だって、自分が何をしたいのか迷うことがあります。

だから、

「将来何になりたい?」

まで考えなくても、

「どんな高校生活なら楽しそう?」

「高校では、どんな自分になれたらいい?」

くらいから考えてみればいい。

勉強を頑張りたい。

部活を続けたい。

新しい友達がほしい。

資格を取りたい。

大学に行ける選択肢は残しておきたい。

今までとは違う環境に行ってみたい。

そんな小さな答えで十分です。

高校受験は、15歳が初めて「自分の人生」を選ぶ機会なのかもしれない

考えてみれば、高校受験は多くの子どもにとって、人生で初めての大きな選択です。

小学校も中学校も、多くの場合は住んでいる地域によって決まっています。

でも高校は違います。

自分で調べて、

自分で見て、

自分で悩んで、

最後には、自分で一つの学校を選ばなければなりません。

そう考えると、高校受験は単なる学力試験ではないのかもしれません。

15歳が初めて、自分の人生を自分で選ぶ。

その練習でもあるのだと思います。

だからこそ、大人が全部決めてしまうのでもなく、

「好きなところに行けばいいよ」

と任せきりにするのでもなく、

一緒に考える時間が必要なのではないでしょうか。

「もったいないなぁ」と思った理由

冒頭の生徒に、私は、

「それはちょっともったいないなぁ」

と言いました。

これは、明成高校を選ぶことがもったいない、という意味ではありません。

もし調べたうえで、

「自分はここで学びたい」

「この学科がおもしろそう」

「この学校なら自分らしく過ごせそう」

と思って明成高校を選んだのであれば、それは素晴らしい選択だと思います。

私がもったいないと思ったのは、

「自分にはここしかない」

と、15歳の段階で自分の可能性を狭めてしまうことです。

そしてそれは、福島高校を目指している生徒も同じです。

「成績がいいから」

「先生に言われたから」

「親に勧められたから」

という理由だけで決める必要はありません。

福島高校でも、橘高校でも、福島東高校でも、福島南高校でも、明成高校でも、商業高校でも、工業高校でも。

学校の名前よりも大切なのは、

「なぜ自分はそこを選んだのか」

だと思います。

迷っている時間も、受験の一部

9月。

まだ志望校が決まっていないと、本人も保護者も少し焦る時期かもしれません。

でも、私は最近、

迷っていること自体は、そんなに悪いことではないと思うようになりました。

迷うということは、

自分のことを考え始めているということでもあります。

学校を見に行く。

先生や家族と話す。

先輩に聞く。

学校について調べる。

そして、自分の気持ちを言葉にしてみる。

そうしながら、

「ここに行きたい」

という気持ちが少しずつ形になっていけばいい。

地頭塾でも、この秋、中学3年生一人ひとりとそんな話をしていきたいと思っています。

受験生に必要なのは、

「どこなら入れるか」

だけを考えることではありません。

「どこなら、自分らしい3年間を送れるだろう」

と考えること。

高校は「入れるところ」ではなく、「合うところ」を選ぶ。

そして、その答えを自分で考える時間そのものが、

高校受験で学ぶ大切なことの一つなのではないでしょうか。

子供心理・チャイルド心理資格取得講座卒業・修了証明 子供心理カウンセラー®資格資格認定証

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